妊娠中の恋 | 時差2時間の空間

妊娠中の恋

私にとって妊娠はとても幸せなことだった。つわりは軽かったし、辛いことはすぐ忘れてしまうくらい、新しい喜びを毎日発見した。


カレは、独自にいろいろな本を読んで父親になるための勉強をし、女性にとっての妊娠の大変さを説く章に感化されて、毎晩ローションをつけて全身をマッサージしてくれた。これが一番恋しい妊娠中の習慣


9ヶ月の間ずっと、お腹に宿る小さな命に恋をしていたし、カレへの気持ちは深まるばかり。どれだけ楽しい日々が待っているのか・・・たのしみで仕方なかった。


カレが出張でいないとき、カレにラブレターを書いて、寝る前にいつも開く本の中にそっと隠しておいた。あの頃に帰りたいと思うほど、今の気持ちとはかけ離れた内容。幸せの絶頂ってこんなのかな・・・。


だけど、妊娠していたのはほんの40週間。8月の半ば、娘が生まれた。そして、私たちの関係は少しずつ変わっていった。